建築用コンテナでモジュール建築を計画するとき、最初に決めるのがサイズです。「20フィートと40フィートのどちらにするか」は寸法だけの問題ではなく、搬入経路、基礎、構造計算、そして室内の使い勝手まで連動します。
この記事では、10ft・20ft・30ft・40ft、および天井の高いハイキューブ(HC)型の寸法を一覧で整理し、断熱・内装後に実際どれくらいの広さになるのか、用途別にどのサイズが向いているのかを解説します。
この記事の要点
- 外寸は海上輸送の規格サイズと同じ。20ftは6,058×2,438mm、40ftは12,192×2,438mmで、高さは標準型2,591mm/ハイキューブ2,896mm。
- 床面積の目安は20ftで約13.9㎡(約4.2坪/約8.6畳)、40ftで約28.3㎡(約8.6坪/約17.5畳)。断熱・内装を施すと、20ftで約12.3㎡、40ftで約25.6㎡が目安になります。
- 天井高が約30cm違うハイキューブ型は、天井内に設備配管を通すホテル客室や、開放感が必要な店舗で選ばれます。
- 搬入条件が厳しい敷地では、20ft×2台を現場で連結して40ft相当の空間をつくる方法があります。
- サイズにかかわらず、土地に定着させて継続使用する場合は建築物として扱われ、建築確認が必要になることがあります。
目次

1. 20ft・40ftの寸法一覧(10ft・30ft・ハイキューブ含む)
建築用コンテナの外寸は、海上輸送に対応した規格サイズと同じです。国際的なコンテナ物流をそのまま使えるため、海外の工場から日本の港まで効率よく輸送できます。当社では標準型とハイキューブ型の両方を製作しており、10ft・30ftのご要望にも対応しています。
| サイズ | 外寸 L×W×H | 内寸 L×W×H | 床面積(内寸) | 容積 |
|---|---|---|---|---|
| 10フィート | 2,991×2,438×2,591 mm | 2,831×2,352×2,393 mm | 約6.7㎡(約2.0坪/約4.1畳) | 約15.9 m³ |
| 20フィート 標準型 | 6,058×2,438×2,591 mm | 5,898×2,352×2,393 mm | 約13.9㎡(約4.2坪/約8.6畳) | 約33.2 m³ |
| 20フィート ハイキューブ | 6,058×2,438×2,896 mm | 5,898×2,352×2,698 mm | 約13.9㎡(約4.2坪/約8.6畳) | 約37.4 m³ |
| 30フィート ハイキューブ | 9,125×2,438×2,896 mm | 8,965×2,352×2,698 mm | 約21.1㎡(約6.4坪/約13.0畳) | 約56.9 m³ |
| 40フィート 標準型 | 12,192×2,438×2,591 mm | 12,032×2,352×2,393 mm | 約28.3㎡(約8.6坪/約17.5畳) | 約67.7 m³ |
| 40フィート ハイキューブ | 12,192×2,438×2,896 mm | 12,032×2,352×2,698 mm | 約28.3㎡(約8.6坪/約17.5畳) | 約76.4 m³ |
※寸法は規格に基づく代表値です。仕様により前後します。坪数は1坪=3.306㎡、畳数は1畳=1.62㎡で換算しています。30フィートは流通量が少ないため、輸送計画を含めて個別にご相談ください。カスタムサイズにも対応します。
2. 断熱・内装後に使える広さはどれくらいか
上の表の床面積は、構造躯体の内寸から算出した数値です。実際に建築物として使う場合は、内側に断熱材と下地、仕上げが入るため、室内の有効面積はこれより小さくなります。ここを見落とすと、計画していた家具やベッドが入らないという事態になります。
当社の標準的な外壁構成(外壁鋼板1.6mm+吹付硬質ウレタン30mm+ロックウール50mm+防湿気密シート+不燃石膏ボード12.5mm+仕上げ)の場合、壁厚は片側で約95mmです。これを四周に加味すると、室内の有効面積は次のようになります。
| サイズ | 躯体内寸の床面積 | 内装後の室内有効面積(目安) |
|---|---|---|
| 10フィート | 約6.7㎡ | 約5.7㎡(約1.7坪) |
| 20フィート | 約13.9㎡ | 約12.3㎡(約3.7坪) |
| 30フィート | 約21.1㎡ | 約19.0㎡(約5.7坪) |
| 40フィート | 約28.3㎡ | 約25.6㎡(約7.7坪) |
※標準的な断熱・内装仕様での目安です。断熱厚や仕上げの仕様によって変わります。壁の構成は技術・品質のページで断面図とともに公開しています。
天井高も同じように下がります床の仕上げと天井下地・照明の納まりを考えると、標準型(内寸高2,393mm)では室内の天井高が2,200mm前後になることがあります。設備配管を天井内に通す計画では、次章のハイキューブ型をご検討ください。
3. ハイキューブ型を選ぶべきケース
ハイキューブ型は、標準型より天井が約305mm高い仕様です(内寸高2,698mm/標準型2,393mm)。この30cmの差は、次のような計画で効いてきます。
- ホテル客室:空調ダクト、給排水管、換気設備を天井内に隠蔽しても、十分な天井高を確保できます。
- 店舗・カフェ:天井が高いほど開放感が出て、客席の居心地が変わります。
- オフィス・会議室:照明計画と空調の吹き出し位置に余裕が生まれます。
- 二階建て・多層構成:各階の天井高を確保しながら、建物全体の高さ制限に収める計画がしやすくなります。
一方、倉庫、ガレージ、設備ユニットなど、天井内に設備を通さない用途では標準型で十分なケースも多くあります。

4. 用途別に見るサイズの選び方
20フィートが向いているケース
- 独立型のオフィス、現場事務所、休憩室
- ポップアップストア、小規模店舗
- シャワー・トイレなどのサニタリーユニット、設備ユニット
- シングル〜ダブル仕様のホテル客室
搬入車両の自由度が高く、狭小地や接道条件の厳しい敷地でも計画しやすいサイズです。
40フィートが向いているケース
- ベッドエリアと水まわりを一体化したスイート・ファミリー客室
- 厨房と客席を確保する飲食店舗・カフェ
- ショールーム、アパレル店舗、会議室
連続した奥行きのある一室空間をつくれるのが強みです。ただし、トレーラーでの搬入と大型クレーンの作業スペースが必要になります。
組み合わせる設計
大型プロジェクトでは、サイズを組み合わせるのが現実的です。たとえば事務所であれば、40ft×2台を執務エリアとし、20ft×1台を給湯室・トイレ・設備スペースとしてL字やT字に配置すると、機能を分けながら効率よくまとめられます。用途別の構成例は用途別のソリューションでご紹介しています。

5. 20ft×2台の連結という選択肢
40ftクラスの床面積が必要でも、搬入条件が合わないことがあります。その場合は、20ftを2台現場で連結して約28㎡の一体空間をつくる方法が有効です。
- 搬入路の制約をクリア:40ftトレーラーが進入できない道路や屈曲部でも、20ft用の車両でアプローチできます。
- 揚重コストを抑えられる:大型クレーンではなく、中型クレーンで設置できる場合があります。
- 工程を分けられる:1台目を設置して内部配管を先行施工し、その後2台目を連結するなど、現場に合わせた進め方ができます。
連結部には防水処理と断熱の連続化を行い、構造計算上は一棟の建築物として扱います。接合は各ユニット四隅の接合金物を介し、高力ボルトで締結します。
6. サイズにかかわらず必要になる法的手続き
10ftでも40ftでも、随時かつ任意に移動できない状態で設置し、継続的に使用する場合は、建築基準法上の建築物として扱われます。したがって、建築確認が必要になることがあります。
審査で確認される主なポイントは次のとおりです。
- 鋼材の法適合:主要構造部に指定建築材料(JIS規格適合品など)を使用し、ミルシートで証明できること。
- 基礎への定着:構造計算に基づき基礎へ緊結し、地震力・風荷重を地盤に伝達できること。
- 開口部の補強:窓やドアを設ける際、フレームの剛性を保つ補強が計算されていること。40ftはスパンが長いため、大開口を設ける場合は補強設計がより重要になります。
- 用途地域:第一種低層住居専用地域など、用途によって設置できない地域があります。
法的な扱いの詳細は、コンテナ建築と建築基準法の記事で解説しています。
7. サイズ決定前のチェックリスト
- 搬入ルート:道路の幅員、曲がり角の旋回半径、電線など上部障害物の有無
- 重機の作業スペース:クレーンの設置位置と、アウトリガーを張り出せる地盤強度
- 天井内の設備:ダクト・配管を隠蔽するかどうか(ハイキューブ型の要否)
- 開口部:大きさと位置、それに応じた鉄骨補強
- 室内有効面積:断熱・内装後の寸法で家具・設備が納まるか

8. よくあるご質問
20フィートコンテナの広さは何坪ですか?
40フィートは20フィートの2倍の広さですか?
ハイキューブ型と標準型は何が違いますか?
10フィートや30フィートにも対応できますか?
搬入できるかどうかは、どこで判断すればよいですか?
移動できるタイプもありますか?
サイズ選定からご相談ください
設置予定地と用途が分かれば、搬入条件を含めたサイズのご提案が可能です。図面がない段階でもご相談いただけます。
- 建設予定地(市区町村、敷地・搬入条件)
- 用途と必要な面積の目安
- ご希望の時期
